墓じまいからの海洋散骨

近年、墓じまいのご相談を多くいただきます。
墓じまいに至るまでの背景や相談内容は皆さま様々ですが「墓じまいからの散骨」は可能です。
ここではその際に必要な書類、手続き、費用などをわかりやすく説明していきます。
少しでも皆様の墓じまいのご参考になればと思います。

【目次】

Kaiの散骨に必要な書類

これさえ揃えば散骨は可能です!

【各証明書】

  • ご遺骨の証明書として
    火・埋葬許可証、死亡届出書、除籍謄本のいずれかのコピー
  • ご依頼者の証明書として
    マイナンバーカード、健康保険証、運転免許証、住民票、戸籍謄本のいずれかのコピー

Kaiの「墓じまいからの散骨」海洋散骨にかかる料金例

墓じまいの場合、柱数(ご遺骨の数)が多くなることが通例の為、通常のプランへの追加料金(1柱ごとの追加料金)がいくらになるかが重要です。

Kaiの「墓じまいプラン」(1柱料金込み)

  • ※「委託散骨プラン」とは、ご遺族様が乗船されずに弊社スタッフが代わりに海洋散骨するプランになります。こちらのプランは「委託散⾻」となります。委託散⾻とは、ご遺族が乗船されずに弊社スタッフが代わりに海洋散⾻と献花をするプランです。
  • ※すべて税込み価格になっております。

~ここまでで問題がない方はそのままお申込みいただけます~予約フォームへ

ここからは何かしらの理由により、必要書類が揃わない方や墓じまいがスムーズに進まない方などの場合、どの時点でどこから書類を発行すれば良いのか、実際の「墓じまい」の流れと共に大切なポイントや費用も踏まえながらご説明いたします。

「墓じまい」の流れとポイント

  1. STEP1

    じっくりご家族やご親族と事前に相談する。

    まずはお墓についてご家族と話し合うことが大切です。普段なかなか話しづらいことでもありますが、皆の考えを話し合える良い機会になります。遠いご親族などにも後から問題にならないように事前にお話しすることが大切です。お手紙などを送るのも良いでしょう。

    墓じまいが決まったらSTEP2へ。

  2. STEP2

    お墓の管轄にある役所へ出向き、必要書類を確認します。

    「墓じまいから散骨」の場合、まだまだ役所によって必要書類が異なりますので、まずは各役所で相談しましょう。
    この場合、「墓じまいからの改葬(別のお墓にお引越し)」ではないので注意が必要です。通常、役所ではこちらの“改葬”が一般的に多く「改葬許可証」の申請を求められる場合がありますが、散骨の場合は改葬ではないのでこちらは必要ありません。※改葬先を“ご自宅”や“散骨”で改葬許可書を発行する役所もございます。

  3. STEP3

    現在あるお墓の管理者に「墓じまい」を伝える(寺院・公営・民間・共同)

    ここで取得できる書類として重要なのが、それぞれの管理者から発行される「遺骨引き渡し証明書」や「埋蔵(収蔵)証明書」。こちらには埋蔵、収蔵の事実証明として、埋葬されているすべてのご遺骨情報が記載されています。もし上記の必要書類が揃わない場合、こちらの「遺骨引き渡し証明書」か「埋蔵証明書」があれば散骨可能になります。(上記書類が揃っている場合は散骨には不要です)。分骨を希望する際なども今後のことを考えて(後に別のお墓に埋葬する場合などを想定し)発行していただき大切に保管することをお勧めいたします。

    「墓じまい」を管理者に伝える際に注意が必要なのは“寺院”の場合です。「なぜご住職に伝えるのに注意が必要なの?」と思われがちですが、お寺の場合は「墓じまい」=「檀家離れ」=「お寺にとっては経済的に支えてくれる檀家を失うこと」になるからです。

    まずは丁寧にお気持ちを伝えることが大切です。お寺は先祖代々お墓の供養をしてくれた訳ですから、なぜ「墓じまい」を考えているのか(住まいが遠くなって墓参りなどが難しいなど)の理由や事情などをしっかり伝えたのちに事務的な手続きなどの話に進むのが良いでしょう。いきなり何の相談もなく「墓じまいをするので証明書の発行をしてほしい」や「お墓を撤去したい」などと一方的に話を持ち込むのは寺院側も気分のいいものではありません。お寺とのトラブルの元になるので絶対にやめましょう。

    お寺の場合「離檀料」が請求される場合があります。離檀料とは、お寺の檀家をやめる時に発生する一種のお布施(ここでは今までお世話になった感謝の気持ち)のようなものです。もちろん離檀料を受け取らないお寺もありますが、事前にご親戚や近所の石材店に離檀料について相談し、その土地の相場を情報収集しておくべきです。通常、離檀料の相場は法要で渡すお布施の2~3倍(数万円~多くて30万円)と言われています。それ以上の法外な金額を請求された場合は一旦踏みとどまり、自治体や弁護士などの専門家に相談する方法もあります。

    ですが先祖代々お世話になったお寺とは誰ももめたくはありません。できるだけ穏便に話が進むようここは少々時間をかけて丁寧に話を進め、すべてご自分だけで判断せずに各金額が妥当かを判断していくのが大切です。

    その他、公営や民間などが管理者の場合はそこの方針に沿った手続きになりますので「遺骨引き渡し証明書」や「埋蔵(収蔵)証明書」を発行していいただきましょう。分骨を考えている場合は「分骨証明書」も発行していただきましょう。

  4. STEP4

    石材店に依頼する

    お墓からのご遺骨の取り出し、お墓の撤去、最終的な墓石の処分を石材店が担当します。お寺の場合、決まった石材店がある(指定石材店制度)場合が多いですが、この場合も必ず書面で見積書を作成していただきましょう。「墓石撤去費用」として適正な金額か確認するためです。相場は約10万円/1㎡あたり言われています(お墓の場所や大きさなどにより異なります)。比較するためにいくつかの石材店に相見積もりをお願いするのも方法です。もし納得のいかない金額の場合は交渉が必要になります。

    指定石材店制度がない場合は信頼できる石材店を探すのが大切です。複数の石材店に書面で見積もりをお願いし、比較し納得のいく石材店にお願いしましょう。

  5. STEP5

    実際の「墓じまい」

    ご遺骨を取り出す前に、仏教(宗旨宗派によって異なります)では「閉眼供養」、「御性根抜き」、「性根抜き」などの儀式を行い(相場3~5万円)、墓石から魂を抜いて墓石をただの石に戻したのちに解体撤去し更地にして返還します。取り出したご遺骨は洗骨が必要な場合は洗骨を終え、お手元にご遺骨が届きます。

  6. STEP6

    海洋散骨などの葬送へ

    すべての過程が終了しましたらここでお手元のご遺骨の散骨となります。すべてのご遺骨を海へ還してしまうのは寂しいなど、後で後悔がないように分骨し少々のご遺骨をお手元で供養するなどの方法もありますのでお話し合いの上、ご希望をこちらまでお寄せください。

    以上が実際の「墓じまいからの散骨」の流れになります。

    「お墓や葬送のスタイルは全国一様ではない」のが難しいところでここからは「墓じまいから散骨に決めた理由」、「墓じまいがスムーズに進まない事例と解決策」など皆様から頂いたご相談内容をもとにご紹介させていただきます。

墓じまいから散骨に決めた理由

  • 自身が高齢になり、遠方にある墓参りが難しくなった。
  • 海が故人を想い、手を合わせる場所になるから。
  • 墓守をする跡取りがいない(ご子息が娘で既に嫁いでいる)。
  • 一人しかいない子どもに負担をかけたくない。
  • お墓の問題を自分たちの代で解決しておきたい。(自分が亡くなった後が心配)
  • 自分が継ぐ墓がいくつもある。
  • お寺にお墓があり、年間管理料や寄付金を払う必要があり経済的に負担を感じた。
  • 公共工事などによるお墓の立ち退き。
  • 現代の葬送の多様化による選択。
  • 著名人による海洋散骨が報道され、一般にも浸透してきている。
  • 寺離れ。宗教離れ。
  • 故人が生前から希望していたが、亡くなった時はお墓に埋葬。今願いを叶えることができそうと思った。
  • 「永代供養墓」を検討していたが「永代」とは「永久」ではなく一般的には三十三回忌までと知り、それを過ぎると「合祀墓」(他の人と遺骨が一緒に葬られる墓)に入ってしまうため。

墓じまいが
スムーズに進まない事例と解決策

お墓が古く、埋葬されているご遺骨の必要書類が揃わない。
解決策

こちらの場合はまずは役所に相談された方がいいでしょう。役所などでも、あまりにも古くご遺骨の判明が難しい場合や再火葬の場合にも“不詳”で取り扱ってくれる場合があります。墓地管理者から発行される「遺骨引き渡し証明書」(埋蔵証明書)に“不詳”のご遺骨の分も発行をお願いしましょう。

お墓を開けると…土葬されている遺骨が出てきた。
解決策

土葬されており土が付着している遺骨は洗骨後、再度火葬になります。石材店に依頼し火葬場の予約をします。再火葬は墓所のある自治体に問い合わせて「火葬証明証」を取得します。正体が不明の場合でも氏名欄に“不詳”と記入し手続きを進めることができます。

お寺に「墓じまい」を伝えると法外な離檀料を請求された。
解決策

お寺からの離檀料はあくまでお布施(=お気持ち)です。離檀料の相場は法要でお渡しするお布施の2~3倍(数万円~多くて30万円)と言われています。もちろん離檀料不要のお寺もあります。

思ったより費用が高額
解決策

墓じまいの相場
■墓石撤去費用:約10~20万円/1㎡あたり
■離檀料:3万円~20万円(多くても30万円)
■閉眼供養のお布施代:3万円~5万円
■行政手続きでかかる費用:0~千円ほど
あくまでも相場になりますが上記が「墓じまい」にかかる費用になります。ご参考にしていただきこれ以上の法外な請求があった場合は自治体や専門の弁護士に相談しましょう。

最後に

「墓じまい」にかかる時間は皆さま様々ですが1~2ヵ月程ですべてが終わる方と気づくと半年~1年以上の時間が過ぎていたという方もおられます。

時間もそうですが「墓じまい」は十人十色の様です。お墓がある場所も違えば背景も違うと。

ただ今回こちらを読んでいただいた方はご先祖さまやご自身、ご子息のことを考え、今後のお墓について考えている方だと思います。

「終活」という言葉も一般的になり、葬送も多様化している現代は亡くなった後のご自身の希望や故人様の希望を叶えやすくなりました。

私たちは皆さまのご希望を叶えるために少しでもお力添えできればと日々思っておりますので些細なことでも結構です、お気軽にご連絡ください。

海洋散骨にいたっては皆さま始めは悩まれますが、多くの海洋散骨に同行し感じているのは、お手元から海へとご遺骨が離れてゆく時は胸が詰まる想いや生前の思い出と共に大切な方を見送られておりますが、最後は晴れやかな表情になっておられるのがとても印象的です。

きっと海へと還っていかれた故人様もご遺族のそんな姿を心安らかな想いで見守られていることでしょう。私たち海洋散骨Kaiは大切なお見送りが良い時間になりますようにお手伝いしていきたいと思っております。